国立西洋美術館で「北斎とジャポニズム展」を開催している(2018/1/28まで)日本の誇る浮世絵師葛飾北斎が西洋の近代美術に与えた影響を紹介する展示会。
19世紀の末ごろから20世紀の初めころ、印象派をはじめとする西洋の画家や彫刻家が葛飾北斎の影響を受けた話は、何度か聴いたことがある。

私が毎週見ているNHKエドケーショナルの日曜美術館でもたびたび紹介され、ドガ、モネ、ゴッホなどの作品と北斎の浮世絵を並べて見せるシーンが何度もあった。

12/3放送の日曜美術館で、彫刻家ロダンの特集の中で、ロダンの愛人であったカミーユ・クローデルのことがクローズアップされていた。
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ウィキペディアより
カミーユはロダンの愛人。年齢は20歳ほど若い彫刻家で、かなりの才能があった人らしい。
NHKの解説では、当時女性の芸術家というのは、認められない時代で、彼女の作品はまったく世間に認められなかったらしい。
ロダンはおそらく彼女の芸術を認めていたらしいのだが、ロダンには別に内縁の妻がいた。やがてロダンと別れ、芸術派認められないまま、精神を病んで作品のほとんどを壊してしまった。

今回展示されているカミーユ・クローデルの作品「波」はロダンと別れた直後の作品らしい。
葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」のような波と、その下に3人の女性がいる彫刻。
波

(静岡県立美術館HPより)
NHKでは世間の荒波の恐怖とか、荒波に立ち向かう女性とかそんな解釈をしていた。
とても納得できる解釈だった。

12/4の読売新聞の31面で北斎とジャポニズム展の紹介がされていた。
「波」を大きく取り上げた記事の中で、「3人の女性をやさしく包み込むような波の表現」と書かれていた。荒々しくせまりくる波なのか、やさしく包み込む波なのか、もし展覧会に行くことがあったら、判断してほしい。

私も行って、見てみたい。
浪裏

神奈川沖浪裏はウィキペディアより