NHKエドケーショナルの日曜美術館という番組が好きで、毎週視聴している。
先日ゴッホの展覧会の紹介とタヒチ時代のことなどが紹介された。
東京都美術館で「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」2017年10月24日(火)~2018年1月8日(月・祝)
の開催に合わせての放映だった。

ゴーギャンと住み、仲たがいしてナイフを持って迫り、何も出来ずに自室に戻って自分の耳を切るエピソードを紹介されたとき、若いころ呼んだ月と六ペンスを思い出した。モデルがゴーギャンだからたまたまそんな小説を思い出したのだ。

月と六ペンス、どういう意味だ?

昔読んだときの新潮文庫のあとがきには、
芸術にひきつけられることの象徴が月で、当時あった6ペンス硬貨は現実的な利益の象徴だと言うようなことが書いてあった。

誰かが(北杜夫だったかもしれない)月と6ペンスは月とすっぽんのような意味(どちらも丸いがまったく違うもの)だと随筆か何かに書いていた。
どうもそういう意味ではなさそうだと、新潮文庫の解説を見て思った。

しばらくたってモームの手紙に次の内容があることを知った。

If you look on the ground in search of a sixpence, you don't look up, and so miss the moon.
「あなたが6ペンスを探して地面を見ていると、上を見ないで、月を見逃す。」
 (翻訳には自信ないが大局的にはそう間違ってないと思う)

何が言いたいのかさっぱりわからないとおもっって考えるのをやめにした。

日曜美術館を見ながらそんな若いころの追憶に浸っていたとき、新しい疑問がわいた。

6ペンスって、何故そんな硬貨があるんだ?

日本で6円硬貨を作ったら、みんな笑うだろう。
なのになぜ、6ペンス硬貨ができたのだ?
1ペニーは1ポンドの100分の1のはず。


調べてみたら、1971年2月15日以前は、イギリスの貨幣は12進法だったらしく、12ペンスで1シリング。20シリング=240ペンスで1ポンドだったらしい。
だから6ペンス硬貨が意味を持ったのだろう。やっとわかった。

次に別な疑問がわいてくる。
切り替えのとき。1ペニーは240分の1ポンドから100分の1ポンドになった?
ペニー硬貨を持っていた人は、すごく得をしたのか?しなかったのか?
ま、どうでもいいか。すこしすっきり。