大塚家具の株主総会後のいろいろな報道を見て、いささか疑問に思う論調が気になったので書いておきたい。
総じて、株主総会に親娘喧嘩を持ち込んだことがけしからん という書き方だった。
営業会議で決めれば良い内容を株主総会に持ち込んで醜態をさらしたという内容だ。

しかし今回の争点は、経営戦略の大きな違いであり、二つの経営戦略をかかげる経営者候補のどちらをとるかということだ。つまり経営者を選ぶための争いであり、その内容は経営戦略をどうするか?なのだ。

しかし経営者を決めるのは株主総会だけだ。
株主総会は、そのためにある。従って株主総会で経営者をどちらかにするのは極めてまっとうで正しいと思う。
経営戦略の違いが事前に株主に理解できたことも良かった。

これを内部で事前に決めておけばよいことというのは、株式会社としては正しくない。
事前ネゴで全てきめて、おざなりの株主総会を開くより、ずっとオープンで良いことだと私は思う。
したがって、大塚家具は株式会社の原理原則に従って、正しい行動をしたのだと思う。

もちろん経営者どうしが決めるべき経営戦略を、内部だけで決められないのはなさけないことだ。
しかし会社は株主のものだし、一番の大株主が社長の方針に反対するときは、株主総会で決めるしかないと思う。

内部でなんでも秘密裏に決めていくより、この会社は極めて健全だと思えた。
あとは、どうやって戦略を具体化するのか、これを明確にして粛々と会社を良くしていくことが
承認された経営陣の仕事だと思う。
 
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