今日はYosemiteのアップデート記事を書こうと思っていたが、スカイマークが民事再生法の手続きをしたので、そのことについて書いておきたい。

民事再生法と似た法律に会社更生法がある。5年前の日航破たんのときは、会社更生法だった。
今回のスカイマークはいろいろ迷ったとは思うのだが結局民事再生法の申請をし、裁判所に受理された。
私は、スカイマークは会社更生法の方が良かった気がしてならない。

なぜか?

会社更生法と民事再生法の主な違いを見てみよう。

会社更生法

会社更生法適用時点で、 それまでの会社の事業年度は、その開始の時に終了し、これに続く事業年度は、計画認可の時又は更生手続終了の日に終了する。だから、手続開始の時における財産目録及び貸借対照表を作らなければならない。つまり過去の会社と連続性がなくなる。

 それまでの経営者は全ての権利を失い、債権者には競売などの権利行使は認められず、財産評定の結果認められた更生担保権の金額の範囲で配当を受けるだけとなる。経営権は裁判所が選任した管財人に移り、財産の保全や処分は管財人が行う。

債権者の配当額は、担保権の被担保債権額を大きく下回ることになる場合が多い。また会社更生法では、租税債権ですら制約を受ける。株主はほとんどの場合100%減資を余儀なくされ、会社からは何の利益も得られない。
会社は新たなスポンサー(出資者)の下で、人的物的な財産を用いて新しい布陣で経営をしていくことになる。

民事再生法

会社は開始決定により事業年度が終わることはない。 つまり民事再生開始があっても、会社は、経理上、それまでの会社と変わらない。

会社の経営も、従前の経営者がすることを原則となるが、今回は社長が退任し管財人がついた。
担保権者の担保権は、民事再生法を無視して行使することができるので、いつでも競売の申立は可能となる。
裁判所は、一定期間、競売の中止を命ずることができるが、しかし、これも開始決定後せいぜい4乃至6ヶ月間でしかなく、長期に渡り、競売を阻止することはできない 。

 民事再生法は、債権を一度には支払えないが、減額や分割によって延べ払いにして貰えば支払えるという会社で、しかも社会的な影響の少ない中小企業向けの法律だ。


今回、スカイマークが民事再生法を申請したのは、おそらく株主の権利(辞めた社長が筆頭株主)を少しでも守りたいし、あわよくば経営権も残したいという思惑ではないだろうか?

しかしこれでは債権がなかなか減らないのだ。
今回の負債は700億と言われているが、隠れ債権としてエアバスから820億円の損害賠償をを求められているので実際には1500億円の債務があることになる。

これを保留するには民事再生法では、債権者の協力と理解が不可欠だが、会社更生法では理解と協力がなくてもなんとかなる。外国の会社エアバスに対して、民事再生で済むのだろうか?
そう考えた時、私には会社更生法の方がふさわしく思えてならなかった。

とはいっても、私には無関係な会社のことなので、このあとの再生のお手並み拝見というところだ。
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